シックハウス診断士としての初仕事

皆さんこんにちは。
先日シックハウス診断士の資格試験を受けまして、なんとか合格することができました。
今まではシックハウス診断士補という資格しか持っていませんでしたが、
これでやっと一人前になれた?、と自負しております。

 

従来 NPO法人シックハウス診断士協会が認定するこの資格は
この度国土交通省認可組合『全国室内環境改善協同組合』から公認を受けることとなり、
同組合及び『日本環境保健機構』と連携し、シックハウスに起因するトラブル解決に公認の調停人候補者として
シックハウス診断士が指名をされることになりました。
また、現在一般社団法人日本環境保健機構では法務大臣による裁判外紛争解決手続きの認証取得手続きと調停を行っており、 今秋より新しい制度が発足する予定なのだそうです(詳細は後日別の機会に掲載します)。

 

今、世間一般にはテレビなどのコマーシャル放送によりシックハウスなんてなくなったものだ、
という誤った感覚にとらわれてしまっているようです。
2003年に改定された建築基準法により、 ホルムアルデヒドをはじめとする13種類の化学物質の室内濃度指針値『だけ』は大幅に下がりました。 これらのことや大手ハウスメーカー、建材メーカー等のテレビコマーシャルにより、
社会的にはシックハウスの問題も終焉したように錯覚されているようです。

 

しかし現実には真の解決には至らずにいまだにこの問題で悩む方が多くおられることを忘れてはなりません。
現に、前出の建築基準法にのっとって建設された首相官邸でも当時の細田博之官房長官が
『首相官邸に入ると気分がすぐれない、目がちかちかする。こらはシックハウスではないか?』
という指摘をされておられました。(下記は当時の新聞記事より転載)

2005/10/06, 東京新聞朝刊, 2ページ, , 285文字

≪≪≪細田博之官房長官は五日の参院予算委員会で、小泉首相が住んでいる首相公邸がシックハウスだと指摘した。
民主党の桜井充氏が、アスベスト(石綿)やシックハウス症候群などへの対応をただしたのに対し、
細田氏は「私もシックハウス気味で、首相公邸ができたときに、これはどうも目がチカチカしておかしいぞ、と思った」
と自身の経験を披露。その際、細田氏が症状を訴えると、「(職員が)早速窓を開けてくれて『直りました』と言ってたが、
私は直ったとは思わない。(今も)入ると目がチカチカする」と改善がみられないことを嘆いた。
首相公邸は旧首相官邸を大改修したもので、首相は今年四月に引っ越した。≫≫≫
このように技術の粋をもってして建築された建物でも、
そして新しく改正された建築基準法にのっとって建てられた建築物でも
このようにシックハウスは現実に起きているのです。

 

そしてもっと恐ろしいのがシックハウスをシックハウスだと思わない風潮が怖いです。
花粉症をシックハウスの一つだと認識せず医療機関で処方される薬や市販の薬に頼って
症状をより重篤にしていることに気が付いていない方がほとんど というこの現実がとても怖いです。

今ではごく身近なものになってしまった花粉症といわれるこの症状も
実は真犯人は花粉ではなく、花粉に付着している化学物質なのです。
化学物質をできるだけ摂取しないように心がけましょう。
(専門的に言いますと「できるだけ化学物質に暴露しないように」となります)

 

例えば
〇洗濯時に使用する柔軟剤
〇トイレや玄関、車の中などに置いておく芳香剤
〇嫌な臭いがするからといってすぐにシュッとひと吹きしてしまう消臭剤
〇スーパーやコンビニ、自動販売機などで売られている清涼飲料水(ミネラルウォーターを除く)
等々、数え切れません。

現代においては人体に有害だと思われる化学物質から絶縁状態で生きることは無理だと思います。
我々にできることはこれらのものからできるだけ遠ざかっている、それだけだと思います。

平成28年11月25日
シックハウス診断士となって初めてのブログです。